ここでは、公務員試験の専門試験「民法」の勉強方法について紹介します。
民法は、出題数も多く、公務員試験の勉強のなかで中心的な科目となります。学習内容にボリュームがあり、なかなかややこしい科目。暗記科目ですが、印象としてはパズルのような感じで、問題慣れしていないと解くのが大変です。
「民法」の勉強で使用した勉強教材
- 「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈1〉総則・物権編」
- 「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈2〉債権編 」
- 「だから「カコモン」で克服! 民法(1) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」
- 「だから「カコモン」で克服! 民法(2) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」
以上の教材を使って勉強しました。
「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈1〉総則・物権編」「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈2〉債権編 」は参考書です。
専門学校の講義をそのまま文章にしたような形式で書かれています。
堅苦しい表現や難解な表現はなく、民法の考え方や判例、民法特有の専門用語がわかりやすく説明されているので、初めて民法を勉強する私でも理解しやすかったです。
これを使って民法の基礎的な考え方を学習しました。
内容は、「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈1〉総則・物権編」の方が「総則」「物権」「担保物件」が書かれており、「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈2〉債権編 」の方は「債権総論」「債権各論」が書かれています。
このチャプター毎が、もっと細かく3~5セクションに分かれています。
文章も非常に分かりやすいですが、民法の勉強に不可欠な権利関係の図がイラストで描かれ、説明に用いられていますので、これもかなり分かりやすいと思います。
この2冊で、問題集などに出てくる全ての用語や内容を網羅しているわけではないと思いますが、覚えたり、理解すべき重要な点はほとんど網羅されていると思いますので、かなり使えると思います。
特に、民法の勉強を初めてするという方は、導入として読んでおくと良い書籍だと思います。
「だから「カコモン」で克服! 民法(1) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」「だから「カコモン」で克服! 民法(2) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」は問題集です。
私が勉強の軸として用いていた「公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法」では薦められていませんでしたが、「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法1」「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法2」はボリュームがありすぎると感じたのでこの問題集を使って勉強することにしました。
構成は、各単元の最初に要点整理があり、その要点整理では要点を赤シートで隠して勉強できるようになっています。
そして、問題は基本問題と応用問題があります。
問題数は単元にもよりますが、基本問題は5問程度、応用問題は3問程度で、両方とも本番と同じ、5択の選択形式の問題となっています。解答と解説は別冊の小冊子になっているので答えあわせがしやすいですが、少々解説が物足りないので、理解しにくいところもありました。
問題数はそれほど多くないのでスムーズに勉強を進められますが、ある程度勉強が進んでくるとボリュームが少ないようにも感じました。
「解いている問題数が少ない」=「解ける問題パターンが少ない」と思うので、やはり「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法1」「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法2」くらいのボリュームの問題集で、問題パターンを頭に入れておく方が良いように感じます。
また、単元ごとに各公務員試験における頻出度が表示されていない点が、直前期の勉強を行う際などに勉強範囲を絞り込みにくく、使いにくさを感じました。
この点は、やはり定番の「新スーパー過去問ゼミ」シリーズが優れているように感じます。
とはいえ、上記の問題集+「過去問500」の勉強で、地方上級レベルでは十分合格できる知識は身についたと思います。
「民法」の勉強の進め方
私は、最初は「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈1〉総則・物権編」「郷原豊茂の民法まるごと講義生中継〈2〉債権編 」を使いました。
この参考書を音読して録音し、時間があるときなどに徹底的に聞き込みました。
この参考書はかなり図がたくさんあり、聞いているだけでは理解しにくいところもありましたので、その図を見ながら聞いていました。
ちなみに、この聞き込みに際しては、ノートなどにまとめは書いていません。ひたすら聞き込みです。
次は「だから「カコモン」で克服! 民法(1) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」「だから「カコモン」で克服! 民法(2) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」を使い、実際の問題を解きながら勉強です。
解くのは基本問題のみで、絶対に応用問題には手を出しません。応用問題をやろうとすると、分からな過ぎて勉強が嫌になります。
基本問題の知識でも地方上級レベルであれば十分なので、応用問題は基本問題が物足りなくなったと感じたときにやる!くらいに考えていました。
問題を解いていて分からない箇所は自分で考えず、すぐに解答を見て確認し理解します。ここで、覚えておいた方が良さそうな内容、まとめ、ポイントなどを「暗記ノート」に書き込んでいきました。
「繰り返し勉強法」「全科目勉強法」で何度も問題演習。何度も問題演習を行う事によって、「この問題のこの箇所は、~が正解だ!」という様に、間違い箇所を訂正できるようになってきます。
「だから「カコモン」で克服! 民法(1) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」「だから「カコモン」で克服! 民法(2) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」だけでは問題の数が不足しているように感じましたが、民法の勉強範囲はとても広く、全てに手を出すと時間がいくらあっても足りなくなると「公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法」に書いてありましたので、この問題集をとにかく極めようと思い、何度も繰り返し解いていきました。
そして、試験勉強が後期段階「1科目集中勉強法」の時期になると、「知識が曖昧な箇所」「混乱している箇所」を徹底的に理解して知識を整理するために、「だから「カコモン」で克服! 民法(1) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」「だから「カコモン」で克服! 民法(2) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」の問題集と過去問500の問題を解きながら苦手だと思う箇所を探し出し、ノートにまとめていきました。
終期段階「過去問+苦手克服勉強法」では、「過去問500」の民法の箇所を土日で解いて、間違えたところ、自信を持って正解できなかったところを紙に書き出しておき、それ以外の曜日に、紙に書き出した分野の問題を問題集「だから「カコモン」で克服! 民法(1) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」「だから「カコモン」で克服! 民法(2) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」で解いて、ノートにまとめるという勉強をしました。
「民法」の勉強で難しく感じた点
民法で難しく感じた点は、問題文の難解な表現です。
これは、民法にも行政法にも共通することですが、法学に特有の言葉、表現を用いて問題が出題されるので、その言葉の意味が分かっていないと問題が解けません。
そのため、参考書などを使って民法に特有の表現(通謀虚偽表示とか表見代理とか…)を覚えてしまう事が最も大切です。
そして、その表現を見たときに、「この言葉の意味は何か」というのと「その具体例としてどんなのがあったか」というのがパッと思い浮かぶようにしておくことがとても重要です。
勉強の初期ではなかなかむずかしいですが、これが出来るようになっていないと、問題を解くときに時間もかかりますし、最悪、問題が解けない可能性もあります。
「民法」の勉強で重要だと感じた点
重要だと感じたことのひとつに、「まとめ」があります。
行政法も同じですが、民法も覚える知識がたくさんあります。そして、紛らわしい知識もたくさんあります。
そのため、ある程度勉強が進んできたら、一度知識の「まとめ」をすることが非常に大切だと感じました。(まとめについては「公務員試験の専門科目「行政法」の勉強方法」で詳しく述べています)
もうひとつ、民法の勉強で重要だと感じた事は「割り切る」ということです。
私は上記の参考書と問題集をメインに勉強していましたが、模試などを受験すると、勉強したことのない知識内容の問題が出題されたりします。
このようなことはもちろん他の科目でもありますが、民法が一番多いように感じました。
原因として考えられるのは、問題集「だから「カコモン」で克服! 民法(1) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」「だから「カコモン」で克服! 民法(2) (公務員試験・旧:スーパートレーニングプラス)」のボリューム不足。
民法は他の科目と違って「新スーパー過去問ゼミ」を使っていないので、問題演習量としては少ない気がします。そのために、見たこと無い問題が多いように感じるかもしれません。
しかし、そのような問題をいちいちカバーしていたのでは時間が足りなくなります。そのため、自分の使っている問題集を信じて、それ以外の知識はしょうがない!と「割り切る」ようにしました。
どんな問題集でも、頻出分野の核となる知識はカバーしていますから、まずはそれを覚えることに専念して、それが完璧に身についたならばそれ以外にも手を出していこうという心構えでいました。