私は面接対策を行う上で、「説得力のある言葉」を使うことを重要視していました。
面接試験というのは面接官の質問に答えるという試験です。そのため、当然ですが、質問に答えられなければ面接官にアピールすることはできません。
でも、いくら「面接試験」=「面接官の質問に答える試験」だとしても、筆記試験のように、ただ質問に答えれば良いかというと、そんな訳ないですよね。
質問に答えることは大前提。
重要なのは、面接官に「なるほど!この受験生はすごい!」と感じさせること。そうしなければ、合格を頂くことはできないと思います。
そして、面接官に「なるほど!」とか「凄い!」と思わせるためには、「説得力のある言葉」が非常に重要になります。
では、「説得力のある言葉」を使うには、どうすれば良いのか?
説得力ある言葉「ウソをつかない」
私がまず注意していたことは、ウソをつかないということ。
ウソというのは、自分の中には存在しない考えなどを口に出すわけですから、経験や思考に裏打ちされるされておらず、その言葉にはパワーがありません。説得力がありません。
そして、説得力がないということで、当然、面接官も深く考えを聞き出そうとツッコミをしてきます。
ウソなわけですから、当然ツッコミをされても答えられず、その場をしのごうと思ったのに逆効果となり、どんどん自分の立場を追い込む結果となります。
なので、できる限りウソは避け、経験や思考で裏打ちされた、言葉にパワーがある話をすることが重要です。
特に、面接試験の最中のウソは避けた方が良いです。
見栄をはろうとしたり、質問に答えられずにウソをついたりすると、面接官のツッコミを受けてボロが出る可能性が高くなります。
本来なら「すみません、分かりません」とか「~ということに関しては、考えが未熟で分りかねます」と答えてスパッと終わらせ、最小限の失敗に留めることができる場合でも、ボロが出ると、相手に与える印象も更に悪くなり、最悪の結果となります。
また、面接対策において、面接の質問に対する答えを考える際も、できるだけウソは避けた方が良いです。
志望動機とか過去の経験とか、面接官ウケを狙って、本来の自分の考えや自分の経験とは違った内容を話そうと考えるかもしれません。でも、それはやめた方が良いです。
その理由は上記と同じように、話にパワーがないからです。相手に合わせた話では、一番パワーがある「自分の気持ち」を伝えることはできません。
聞いている面接官だって、おそらく分かると思います。面接ウケを狙っている内容なのか、本当に「自分の気持ち」に基づいている内容なのか。話のパワー(リアリティや口調、表情など)から感じられると思います。
たとえ志望動機が「安定を得たいから」だったとしても、面接ウケが悪そうだと考えて、自分の気持ちと全く違う他の内容(ウソの内容)を話そうと頑張るよりは、表現を工夫して、自分の気持ちが込められる、つまり言葉にパワーが込められる(説得力のある)話をした方が、面接官の心を動かせると思います。
私の経験談から
私は1年目の試験の時、自分の気持ちを抑えて、面接ウケしそうな内容を選んで面接対策をしていました。
つまり、「ウソ」の話を自分の中に作り上げていたわけです。
でも、自分の気持ちが込められていない訳ですから、考えもまとまらず、非常に効率が悪い。
そして、本番の面接試験で話をしている最中も、すごく気持ちが悪いんです。
自分が発している言葉にパワーを込めることができず、言葉に説得力がないのが自分でも分かりました。
面接も楽しめず、終わった後も、手ごたえが全くありませんでした。
この反省から、2年目の面接試験では、自分の気持ちに正直になることにしました。
自分の気持ちを軸にして、表現を工夫し、面接官に合わせることなく、かなり自分に正直に、自分の気持ちのパワーを伝えられると思う話をしました。
話した内容の中には、世間一般では面接などの場では避けた方が良い、と言われる内容もありました。
でも、1年目の試験の時とは全く感触が違いました。明らかに自分の話す内容にパワーがあり、説得力があり、面接官の反応も良かったと思います。
自分の気持ちに正直に話をするというのは、表現の工夫が難しいかもしれません。でも、ウソの話をしたり、気持ちが込められていない内容を話すよりは、絶対にお勧めです。
もし話す内容に「ウソ」が入るなら
そうは言っても、ある程度ウソの内容が入るというのは仕方がないと思います。
そういう場合は、とにかく「繰り返し言葉にする」ことです。
模擬面接を使って、何度も何度も言葉にすることで、最初はウソだった内容も、自分の頭の中に入り込み、思考が深くなり、自分の考えになります。
こうなれば、もうウソではありません。自分の考えです。
ここまですれば、説得力のある言葉で話すことができるようになると思います。
また、模擬面接によって「繰り返し言葉にする」という作業は、「ウソを自分の考えにしてしまう」ということに限らず、面接対策において非常に重要な作業なんです。
通常、面接対策というと、面接試験の質問を想定して自分の答えを考えますが、自分の答えを考えるだけでは、その内容は自分のモノになっていません。そのため、説得力のある言葉で話すことは難しいです。
「繰り返し言葉にする」という作業を通して、質問に対して考えた答えを「読む」という状態から、質問に対する自分の考えを「述べる」という状態に変化します。
この「述べる」という状態になって、初めて自分の気持ちを込めることができ、パワーと説得力のある言葉で表現することができるようになります。