10:面接対策

自己分析2|公務員試験の面接対策「自分の過去」を自己分析

ここでは、面接対策として行う自己分析のうち、「自分の過去」の自己分析方法について書いてみます。

自分の中に軸を通す(自分の過去の行動の根拠)

まず最初にやることは、「自分の過去の行動の根拠」を考えて自分の中に1本の軸を通すということです。

これが、自分の過去を分析する上で、最も基礎となります。

まず最初に、以下の質問に、答えてみて下さい。

転職で公務員を受験する場合

  1. あなたは、なぜその大学(専門学校など)のその学科を選んだのですか?
  2. あなたは、なぜ大学(専門学校など)を卒業後、その就職先を選んだのですか?
  3. あなたは、なぜその就職先を辞めようと思ったのですか?
  4. あなたは、なぜそこを辞めた後の仕事として、公務員を選んだのですか?

就職歴なく公務員を受験する場合

  1. あなたは、なぜその大学(専門学校など)の、その学科を選んだのですか?
  2. あなたは、なぜ大学(専門学校など)を卒業後、浪人を選んだのですか?(浪人の場合のみ)
  3. あなたは、なぜ自分の将来の仕事として公務員を選んだのですか?

ありきたりな質問ですが、なかなか難しいですよね。

では、ちょっと解説してみます。

質問の回答から見えるもの(その1:経歴)

この質問は面接カードや提出用の履歴書における「経歴」の欄に関するものです。

「経歴」の欄って、当然のごとく書きますし、別に考えて書かなくても、事実をそのまま記入する欄ですから、面接カードの作成時には全く難しくありませんし意識もしません。

当然、書いている人間は重要視しません。

でも、考えて書かなくてもいいというよりは、考えて書けない。事実しか書けない。

つまり、面接カードや履歴書の中で、受験者のことを嘘偽りなく最も客観的に表しているのが「経歴」の欄です。

これは質問する側、つまり面接官は重要視するんじゃないでしょうか。

少しでも「アレ?」って思うような経歴があれば、当然、聞かれます。

  1. 高校)文系の普通科
  2. 大学)人文学部
  3. 行政系の公務員を志望

例えばこういう経歴の持ち主だと、特に不思議な点はありません。

人文学部で行政とか政治とかについて学んでいたり、社会系の学科にいたりしたら、「まぁ、公務員志望は分かるよね」となります。

では、以下のような経歴だったらどうでしょうか。

  1. 高校)文系の普通科
  2. 大学)理系の学部
  3. 卒業後、起業
  4. 行政系の公務員を志望

「ん?」「あれ?」ってなりませんか?
「なんで?」って聞きたくありませんか?

この例は、もちろん私です(笑)

当然のごとく「なぜ?」って聞かれましたね。

そして、その答えとして「特に理由はないんですが…」とか「その時々で、やりたいことをやってたら、こうなりました。」なんて答えをしていたのでは、全く説得力がありません。

まぁ、さすがにこんな回答をする人はいないと思いますが、少しでも説得力に欠けるような曖昧な回答をしていてはマズイです。

  • 「コイツ、何でもいいんじゃないか?」
  • 「採用しても、すぐ辞めそうだな。」

なんて思われても不思議じゃない。でも…

  • 「私は~という考えで大学を選びました!」
  • 「私は大学生のとき、自分には~が足りないと感じたため、自分の成長のために起業しました!」
  • 「私は仕事を通して~だと感じたため、公務員になろうと思いました!」

というように、しっかりと自分の過去の行動の根拠が言えるとしたら…

  • 「コイツは自分の考えをもって行動しているかも。」
  • 「採用後も、自分で考えて仕事ができる人間かも。」

と思ってもらえるんじゃないでしょうか。

つまり、過去の行動に根拠があるということは、自分の考えをもって行動してきたということです。

それはつまり、これからの仕事などでも、自分の考えをもって能動的に行動できる人間であるということ。アピールポイントになります。

質問の回答から見えるもの(その2:志望動機)

質問を見てもらうと分かりますが、自分の過去の行動の根拠を考えていくことによって、だんだんと現在に近づいてきて、将来に対する行動の根拠までつながります。

つまり「志望動機」までつながります。

これらの過去の行動の根拠が、ダイレクトに志望動機と結びつくかどうかはわかりませんが、考えやすくなることは間違いありません。

ちなみに…

上記の質問は、高校卒業以降からの根拠を考えています。

通常、「経歴」に関しては高校生あたりから記入することが多いですが、面接官の質問は、人間として成熟してくる高校卒業以降のものが多いため、上記のような高校卒業以降の質問にしました。

でも、場合によっては「なぜその高校?」とかも考えた方がいい場合もあります。(高等専門学校の人とか、特殊な学科とか)

そのあたりは、自分の人生の転換期や「経歴」と照らし合わせて、柔軟に対応してください。

「自分の中の軸」を明確にする理由

さて、これで自分の中に軸ができました。

「こういう考えをして行動してきた結果、今の自分がある!」という、過去から現在に繋がっている軸です。

この軸さえあれば、あなたが自分の過去のことを話す際に、話の内容がブレてしまうという危険性は、かなり軽減できるはずです。

そして、もう一度言っておこうと思いますが、この「行動の根拠」を分析することは、「自分の過去」について自己分析する上で、最も基礎となるものです。

そのため、一番最初に行って欲しいです。

なぜならこの後は、この軸を中心として、肉付けするような形で「自分の過去」の自己分析を行っていくからです。

今後の「自分の過去」の自己分析をスムーズに進めるために、まずは「行動の根拠」を考えて軸を作ってみて下さい。

自分の「過去に頑張ったこと」を分析

では次に、「自分の過去」を自己分析する第2ステップとして「自分が頑張ったこと」を考えていきます。

「あなたが力を入れて取り組んだことはなんですか?」

このような質問をよく目にしますが、まさにコレです。これを分析していきます。

最初に「過去の頑張ったこと」を考える理由

まず、なぜ最初に「自分が頑張ったこと」を考えるのか?

それは、私自身が自己分析を行っていく中で、「頑張ったこと」を考えることによって、さまざまな質問に対応することができるようになると感じたからです。

「頑張ったこと」という経験の中には、色々な要素が含まれています。

「初めは大変だった。苦しかったし、辛かった。それでも諦めずに頑張ったことで、こんな結果が得られた!本当に嬉しかった!」

このように、「楽しかったこと」「苦しかったこと」「辛かったこと」「嬉しかったこと」など色々な経験が総合的に詰まっているのが「頑張ったこと」です。

そのため、最初に「頑張ったこと」を分析しておくことで、以下のような面接の質問にも答えられるようになります。

  • 「最近で一番楽しかったことはなんですか?」
  • 「一番辛かった経験はなんですか?」
  • 「一番うれしかった出来事はなんですか?」
  • 「一番苦しかった経験はなんですか?」
  • 「直面した困難はなんですか?そして、それをどのように乗り越えましたか?」

これらも、面接でよく見る、自分の過去に関する質問ですよね。せっかく自己分析に時間を使うんですから、一石二鳥を狙いましょう。

また、「頑張ったこと」を分析するもう一つの利点として、とっさに面接官から「辛かったこと」「苦しかったこと」を聞かれても、回答が不幸自慢にならず、ハッピーエンドな達成感のあるトークをすることが可能になります。

「辛く苦しかったけど、頑張った結果、成功した!」

こういうストーリーが頭の中に出来上がっていますので、とっさに聞かれも機転がききますし、「この人は困難を乗り越えられる人だ」と思ってもらえる回答がしやすくなります。

「過去に頑張ったこと」を分析する方法

次に「頑張ったこと」に関する具体的な分析方法を書いてみます。

単純に「自分は何を頑張ったのかな~?」と考えていても、非常に漠然としていて難しい。そのため、「頑張ったこと」をもっと細分化して考えます。

  1. ネタは何にするか
  2. 自分は具体的にどう行動したか
  3. その中で大変だったことは何か
  4. 自分の行動の結果どうなったか
  5. 最終的にどうなったか
  6. そこから何を学んだか
  7. 学んだ事を、どう活かしていけるか

これで、かなり考えやすくなったと思います。また、これくらい細かく分析しておけば、面接官からのツッコミにも対処できるようになります。

そして、ここで最も重要なのが「6.そこから何を学んだか」と「7.学んだ事をどう活かせるか」。

面接試験で「一番力を入れて取り組んだことはなんですか?」と聞かれて…

「私は~を頑張りました!その甲斐あって、大成功でした!」

というハッピーエンドエピソードを話しても、面接官側からすると「そっか。それは良かったね。」という感じになるんじゃないでしょうか。

これじゃ、ただ昔話をしただけです。

面接試験は、受験生の人間を見るもの。そこを忘れてはいけません。そして、自分という人間を売り込まないといけないです。

なので…

「私は~を頑張りました!そして、その経験から~を学びました。これから、その学んだこと~に活かして仕事に取り組みます!」

というように、「自分は経験から学ぶことができ、そして、それを仕事に活かすことができるぜ!だから、自分を採用すると良いことがあるぜ!」とアピールしなければいけません。

そのアピールポイントとなるのか「6.そこから何を学んだか」と「7.学んだ事をどう活かせるか」

「6.そこから何を学んだか」と「7.学んだ事をどう活かせるか」は、「頑張ったこと」を分析する上で絶っっ対に考えないといけない項目なんです。

自分の中の軸を「頑張ったこと」の分析に活用する

この記事の最初に紹介した「行動の根拠」の分析で、自分の軸を作りましたよね。これを自分の「頑張ったこと」を分析するのに活用していきます。

気付いていると思いますが、自分の過去の「行動の根拠」を分析するポイントって、自分の人生の転換点なんです。

  • 「大学進学」
  • 「浪人」
  • 「就職」
  • 「転職」

つまり、それだけ自分の人生の中にステップがあったってことです。

そして、この軸を自分の「頑張ったこと」の分析に活用するというのは…

  • 「大学進学」=「大学で頑張ったこと」
  • 「浪人」=「浪人時期に頑張ったこと」
  • 「就職」=「仕事で頑張ったこと」
  • 「転職」=「転職先で頑張ったこと」

を考えるという意味です。これだけで、話せる内容が何倍にも膨れ上がります。

もっと言うなら、この各ステップの中でも、色々な分野がありますよね。分かりやすく大学を例に挙げると「勉強」「サークル」「バイト」「研究」など。

これでまた、話す内容が何倍にも膨れます。

「軸を作って肉付けする」という意味、なんとなーく分かって頂けましたか?

「自分の過去」の自己分析まとめ

さて、ここまで色々と説明してきてゴチャゴチャしてると思うので、整理してみます。

ここでは、私の人生を例に挙げて、整理してみます。

図にしたら、非常に単純になってしまいましたね。

まぁ、ここまで自分の過去についての自己分析としてやったことは「行動の根拠」「頑張ったこと」の2つだけですから当然ですね。

でも、この2つだけで、自分の過去に関する自己分析がほぼ完ぺきにできているんです。

自分の過去の「行動の根拠」を分析することによって、自分の「経歴」に関する面接官からの「なぜ?」「どうして?」という質問に、答えられるようになってます。

そして、自分の人生の各ステップにおける「頑張ったこと」を分析することによって、その中に詰まっている「楽しい」「嬉しい」「辛い」「苦しい」「実績」「学び」なども答えられるようになってます。

では具体的な想定質問を例に、どんな質問に対処できるようになっているのか?

  • 「今までの人生(大学)(仕事)で、特に力を注いだことはなんですか?」
  • 「サークル(ゼミ)について教えてください。」
  • 「今までで一番楽しい(辛い)(嬉しい)(悲しい)(感動した)経験は何ですか?」
  • 「最近の失敗談はありますか?そのピンチをどうやって乗り越えましたか?」
  • 「今までで一番嫌だったことは何ですか?」
  • 「大学時代(仕事時代)に最も印象に残っていることは何ですか?」
  • 「仕事をする上で気を付けていることは何ですか?」
  • 「学生時代(仕事時代)に学んだことは何ですか?」
  • 「今までの人生で、何を学びましたか?」
  • 「成績(業績)はどうでしたか?」
  • 「今までの経験を仕事にどう活かしますか?」
  • 「なぜその学部(学科)(就職先)を選んだのですか?」
  • 「なぜ浪人(退職)をしようと思ったのですか?」
  • 「なぜ公務員になろうと思ったのですか?」

などなど、かなり対処可能範囲が増えています。(これらの質問は、面接試験での「自分の過去」に関する質問の中で、私が答えを用意していた質問の全部です。)

もし想定質問から自己分析を行っていたら

最後にポイントをもう1つ。

もし、上記の各想定質問を最初から見て、個別に対応しようと自己分析を行っていたらどうなるか。

バラバラの質問に一つ一つ答えることになり、考えにくいし、非常に効率が悪いです。

そして、自分の答えの背景にスジを通しにくくなるため、「あれ?さっきは○○と言っていたはずなのに、今度は××?一貫してないんじゃない?」という状態にもなりやすいです。

ここで紹介した、自分の過去の「行動の根拠」という軸に、過去の「頑張ったこと」を肉付けするという方法で自分の過去を自己分析することによって、これら2つを中心として各質問の答えを考えればよいため、かなり効率よく、考えやすくなるんじゃないかと思います。

ここで紹介した方法を用いることで、面接試験における「自分の過去」の分析に関しては、かなり充実させることができると思いますよ。

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